【故障時の状況】
下表がこのPCの主な構成である。
CPU | AMD Ryzen 7 2700X 3700.0 MHz TDP 105W |
マザーボード | ASRock X470 Master SLI |
メモリ | DDR4-3200 8GB×2 |
GPU | AMD Radeon RX 550 ビデオメモリ 2GB |
Cドライブ | CT500P1SSD8 (NVMe 500GB) |
2018年夏に組み立て、1年ぐらいでOSをWin10に入れ替えている。ハードウェアとしては5年半経った状態。
故障の症状だが、全く突然に落ちて電源断となる。再起動を図るが、全く起動しないうちに電源断となる場合もあれば、起動途中で落ちることもある。場合によっては完全に起動するが、ほどなく落ちる。
さて、原因はどこにあるのか?。
【症状と原因】
まず、突然落ちる症状から、電源の不具合を疑う。使用期間5年半は電源ユニットの劣化が十分に疑われる。しかし、落ちるタイミングがバラバラなので、電源劣化による供給電力不足というのは可能性は低い。毎回電源は入るので、100Vラインを含め電源コネクタの接触不良の可能性は低い。
次に疑われるのは、ある程度時間が経つと必ず落ちるのでCPUクーラーの故障である。だとすると、CPUの温度が異常に上がっているはずなので、起動できた時にHWinfo64で測ってみると100℃前後になっている。原因はCPUクーラーにあることは明かだ。
このPCは簡易水冷システムによるCPU冷却を採用しており、水をまわすポンプと水を冷却するための空冷用ファン、合計二つの動力系がある。目視によると空冷用ファンは回っており、ポンプを内蔵する水冷ヘッドのロゴも光っている。しかし、HWinfo64の示すファン回転数も水冷ポンプのところは0となっているので、ポンプのモーターの故障であろう。
空冷用ファンは問題がないので、水冷ポンプ(これもファンコネクタにつなぐ)のコネクタをシャーシーファンが繋がっているコネクタに差し替えてみるが改善されない。よって水冷システムの故障と認定。
水冷のポンプは起動時の水のイナーシャと抵抗がともに大きいので、このPCのように一日に10回もスタンバイと復帰を繰り返すPCではポンプ用モーターの負担が大きかったとも考えられる。
【対応策】
ともかくもCPUクーラーを取り替える必要があるが、手持ちの部品に水冷クーラーはない。古い空冷ファンを使うこととする。下の写真のものだが、みて分かるようにAMDのCPUはソケットAM3までの対応である。Ryzen7-2700XはソケットAM4なので、本来は使えないことになるが、AMDプラットホームの場合、クリップ式のCPUファンであれば、うるさいことをいわなければ、だいたい取り付け可能である。実際、取り付けができた。
空冷CPUクーラーを取り付けるとともにPC背面に付いている水冷のラジエターを取り外し、ラジエターに付いていたファンを外して排気ファンとしてPC背面に取り付けた。
【結果と評価】
交換後、電源オンで何事もなく起動し、各種アプリも問題なく動いている模様。念のため、CPUの温度をHWinfo64で測ってみた。 特に負荷をかけない時には45℃ぐらいで、動画エンコードを2分ぐらいさせると80℃となり、問題がない。もう2年ぐらいは使えそうだ。