しかし、不良が疑われる以上は別のユニットに交換してみるしかない。HuntkeyというブランドのBalance King 5000という500ワット電源で今時の電源としてはやや容量が小さいが、このPCの構成ではフルにCPUやGPUが稼働しても200ワットに全然届かないので、選択としては間違っていなかったと思う。(商品紹介はこちら

こんな時のために、電源ユニットをひとつストックしている。過去の経験では、PCハードウェアの故障の大半は電源ユニットが原因だから。
交換するユニットは老舗の大手メーカーENERMAXのMARBLEBRON 650 Watt 80 PLUS Bronze で、80+ブロンズの認証を受けている分、高効率である可能性が高い。
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【結果と評価】
交換後、電源オンで何事もなくWindows11が起動し、各種アプリも問題なく動いている模様。復旧後、数時間動かしているが、異常はない。故障の原因としては電源ユニットに帰することになる。

このPCは製作当初は重いビデオエンコードに使用しており、その時は不具合はなかった。この1年ほどはそういう用途には使用していなかったので、その間に電源ユニット内のデバイスの劣化が進んだのかもしれない。
日本の交流電源は100ボルトと世界の中でももっとも低い電圧であり、電源の設計は117ボルトを基準としていると思われる。もとからマージンが少ない状況で、デバイスの劣化があると不具合が表面化しやすいことはあるだろう。



                        


故障PCの復旧
【発端】
2020年の春に組み立てたRyzen5-3600のPCを使っている最中に、突然ブラックアウトした。えっ?なんで?と思ったが、このPCは会社の自分が使っているPCにリモートデスクトップ接続するために使っているほか、結構色々な用途に使用しているし、Windows11が動いていて向こう5年ぐらいは使おうと思っているPCなので、早速復旧策を探ることとした。

【故障時の状況】
右がこのPCの主な構成である。
TDP65ワットのCPUに、DDR4メモリー16GB、ビデオカードがGeForce GT 1030、512GBのNVMeSSDと6TBのHDDという特に変わったところもないPCである。

故障の直前にビデオエンコードソフトのTMPGencをアップデートし、その後数十分の間にブラックアウトが発生している。
ブラックアウト発生時は動画再生中だった。

ブラックアウトと表現しているが、これはモニターへの信号が途絶え、しかしPCの電源は落ちていないという、やや珍しい故障形態である。キーボードやマウスに反応しないので、仕方なく電源スイッチ長押しで強制電源断。一旦ACラインを切った後、再起動を図るがブラックなまま。強制電源断を繰り返しているうちに電源が切れなくなる現象も発生。

それではケースをあけて状況を見てみようということで目視してみるが、コネクターが外れているとか、線が焦げているとか言うこともなく。簡易水冷システムのLEDディスプレイは健在で、周期的に色が変わっている。
 
一応、マザーボードの電源コネクターの緩みがないか確認しとこうと考えてコネクターを触っているとピッという音とともに起動し、Windows11も起動を完了したが、1分以内にブラックアウトとなった。

コネクターまわりを疑ったが、どうも接触不良や差し込み不良ではなさそうだ。

【対応策】
電源ボタンの操作に対する反応がおかしい(電源が入らない、落ちない)ことから電源ユニットの不良を疑った。
電源ユニットは見たところなにもおかしいところはなく、焦げ臭いなどの異常もない。ホコリが詰まっているということもなく見た目は新品である。